CSS グラスモーフィズム（Glassmorphism）入門：すりガラス効果でUIをデザインする

はじめに

こんにちは。WebサイトやアプリのUIを考えていると、「何かモダンで、ユーザーの目を引くようなデザインを取り入れたいな」と思うことがありますよね。私も、ありきたりなデザインから一歩抜け出す方法を探していたとき、CSS Glassmorphism（グラスモーフィズム） という手法に出会いました。

グラスモーフィズムは、すりガラス越しに背景が透けて見えるような、美しく奥行きのある表現ができるデザイントレンドです。AppleのiOSやmacOSでも採用されており、洗練された印象を与えます。

この記事では、私が実際に試してみて「これはいいな」と感じたCSSグラスモーフィズムの基本と、その実装方法についてまとめてみました。よろしければ、ご覧ください。

グラスモーフィズム（Glassmorphism）とは？

グラスモーフィズムは、その名の通り「ガラス（Glass）」のような質感を取り入れたデザインスタイルです。Hype4.AcademyのMichal Malewicz氏が2020年に提唱したことで、広く知られるようになりました。

主な特徴は以下の3つです。

• 透明感: 背景がうっすらと透けて見える
• 背景のぼかし: すりガラスのように背景がぼやけている
• 光沢と境界線: ほのかな光沢や細い境界線で、ガラスの存在感を表現する

これらの要素が組み合わさることで、UIに奥行きと階層構造が生まれ、視覚的に情報を整理しやすくなります。

graph LR
A["背景 (カラフルな画像やグラデーション)"] --> B("グラスモーフィズム要素");
B -- "backdrop-filter: blur()で背景をぼかす" --> A;
B -- "background: rgba()で半透明にする" --> A;
B -- "borderで輪郭を表現" --> B;
B -- "box-shadowで奥行きを出す" --> A;

この階層感が、UIにリッチな印象を与えてくれるんですよね。

グラスモーフィズムの主な構成要素

CSSでグラスモーフィズムを実装する際、中心となるのはいくつかのCSSプロパティです。実際に使ってみると、これらの組み合わせ方がポイントだと感じました。

これらのプロパティを調整することで、さまざまな表情のグラスモーフィズムを作成できます。

CSSでグラスモーフィズムを実装する方法

それでは、実際に簡単なカードUIをグラスモーフィズムで作成してみましょう。HTMLとCSSを用意するだけで、意外と手軽に実装できます。

<div class="card-container">
<div class="glass-card">
  <h3>Glassmorphism</h3>
  <p>This is a sample card with glassmorphism effect.</p>
</div>
</div>

.card-container {
display: flex;
justify-content: center;
align-items: center;
height: 300px; /* 親要素の高さ */
padding: 20px;
background: linear-gradient(to right, #8e54e9, #4776e6); /* 背景は鮮やかに */
border-radius: 10px;
position: relative;
overflow: hidden; /* 子要素がはみ出さないように */
}

.glass-card {
width: 80%;
padding: 20px;
color: white;

/* --- ここからがグラスモーフィズムの核となるスタイル --- */

/* 1. 背景を半透明にする */
background: rgba(255, 255, 255, 0.2);

/* 2. 背景をぼかす */
-webkit-backdrop-filter: blur(10px); /* for Safari */
backdrop-filter: blur(10px);

/* 3. 枠線で輪郭を表現する */
border: 1px solid rgba(255, 255, 255, 0.3);

/* 4. 影で奥行きを出す */
box-shadow: 0 4px 30px rgba(0, 0, 0, 0.1);

/* その他：角を丸くして柔らかい印象に */
border-radius: 16px;
}

正直なところ、最初はbackdrop-filterの調整に少し戸惑いました（笑）。でも、ジェネレーターツールを使うと、感覚的に理想の見た目を作れるので便利なんです。

グラスモーフィズムのメリットと注意点

実際にデザインに取り入れてみて感じた、メリットと注意点をまとめてみました。

メリット

• 視覚的な魅力の向上: 透明感と奥行きにより、モダンで洗練された印象を与えます。ユーザーのエンゲージメントを高める効果も期待できます。
• 視覚的な階層の改善: 要素の前後関係が分かりやすくなり、ユーザーは直感的に重要な情報を見つけられます。
• デザインの多様性: 背景を変えたり、ぼかしの強度を調整したりするだけで、デザインの雰囲気を大きく変えられるため、汎用性が高いです。

注意点

実装を助けるジェネレーターツール

CSSをゼロから書くのが大変なときは、ジェネレーターツールの利用がおすすめです。スライダーを動かすだけで、ぼかし具合や透明度をリアルタイムで確認しながらコードを生成できます。

• Glassmorphism CSS Effect Generator: シンプルで使いやすく、手早くコードをコピーしたいときに便利です。
• The original generator forGlassmorphism: HYPE4.Academyが提供している、このトレンドの名付け親によるジェネレーターです。
• Glassmorphism CSS Generator: 直感的な操作でコードを作成できます。

これらのツールを使えば、試行錯誤の時間を大幅に短縮できると思います。

よくある質問

まとめ

今回は、CSSで実現するグラスモーフィズムについて、基本的な考え方から実装方法までをご紹介しました。backdrop-filterをはじめとするいくつかのCSSプロパティを組み合わせるだけで、UIに深みと洗練された雰囲気を与えることができます。

もちろん、アクセシビリティやパフォーマンスといった注意点もありますが、それらを理解した上で適切に使えば、非常に強力なデザイン手法になるはずです。

この記事が、Webデザインのアイデアを広げる参考になれば嬉しいです。